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金継ぎ

What is Kintsugi?

陶磁器が欠けたり割れたりした際に、

破損箇所を漆と金を使って直す、伝統的な技法のことです。

実際には、金は最後の仕上げに装飾に使うものであって、金でなくて銀を使えば「銀継ぎ」、金属を使わずに、漆だけで仕上げる「漆継ぎ」や「共継ぎ」、また、別の器の破片をうまく組み合わせてつなげる「呼び継ぎ」などの種類があります。

 

漆で器を直す、という行為自体は発掘された縄文土器にもみられるものですが、現在のように金などで装飾する形は室町時代以降のお茶の文化の広がりと共に発展しました。

今より格段に、ものが少なかった時代ですから、ものを大切にして直して使い続けていたのです。さらにはお茶の精神が、直した跡を美しいものとして見出し、愛でる美意識を加えました。金継ぎのことを「金繕い(きんつくろい)」とか、単に「直し」と呼んだりもしますが、いちばん使われているのが「金継ぎ」という名前です。(「Zen」(繕) の名前は、「繕い」から取りました。)

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1. 下準備

陶磁器に汚れがあったら洗う。割れた部分のキワを、やすりで研いで角を落とす。接着面に生漆を塗って、すぐ拭き取る、など。

素材によってマスキングが必要な場合はこの時に行う。

2. 割れた部分を接着させる

割れた箇所に、麦漆(小麦粉+水+漆を練ったもの)を塗って接着し、固化させる。

乾燥させる。1〜2週間ほど。 乾いてから、はみ出たところを削って平らにする。

3. 欠けや凹みを埋める

割れた箇所に大きな欠けがある場合は、刻苧漆(こくそうるし:麦漆+木粉)で埋める。

小さな欠けや凹みは、錆漆(さびうるし:砥の粉+水+漆)で埋める。

乾燥。1週間ほど。 乾いてから、余分を削ったり、紙やすりで擦ったりして平らにする。

一度で平らにならない場合は、錆漆を塗り重ねる手順を繰り返す。

ここまでの工程で、だいたいの割れはくっつき、欠けは埋められて、器の形は壊れる前の状態に戻っています。ここまでで実際に作業するのは2〜3日。でも間に乾燥させる時間が、2週間〜1ヶ月ほど必要になってきます。漆を乾燥させるには高い湿度と温度が必要なので、湿度を保てるように箱に入れたりします。洗濯物を乾燥させるのとは逆なのです。

4. 中塗り

平らになった部分に、精製漆を塗り重ねる。 塗ったら乾燥。各1日くらい。

精製漆とは、生漆(きうるし)にナヤシ(かきまぜて漆の成分を均一にする)や クロメ(加熱して余分な水分を取り除く)といった精製作業を行って作られたものです。透明な飴色で「透漆(すきうるし)」と呼ばれます。この漆を、使う前に濾紙でこして使います。 一旦漆を塗り、乾燥させたらやすりで研いで、塗り重ねます。

5. 仕上げ

仕上げの漆を塗る。その漆の上に金や銀などの金属粉を蒔く。少しおいてから、余分な粉を払う。

金を蒔く際は、赤い弁柄(べんがら)漆を使ったり、銀を蒔く下地には黒の漆を使ったりして、金属粉の発色をよくします。

6. 磨く

金属粉を蒔いた後に、十分乾燥させてから生漆で抑え、磨きをかける。

磨くのには瑪瑙(めのう)や鯛牙(たいが:鯛の歯で作ります)などを使います。磨くとマットだった金属粉の表面が金属らしい光沢を放っていくようになります。

 
 
 
 
 
 
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材料

Materials

小麦粉
木粉
砥の粉

Zenでは、古くから行われている手法を踏襲し、

安全な素材を用いています。

修復に用いる素材は、天然の漆をはじめ、小麦粉や木粉、砥の粉、金・銀など、自然の素材ばかりです。最近では、合成の漆や、純金を使わない塗料など、簡易的に金継ぎを楽しめる物も販売されています。合成の漆はかぶれにくかったり、天然の漆では接着できないガラスにも使えたりと利点もありますが、Zenでは、すべて本漆を用いて接着しています。
 また、直接食べものが触れるうつわの仕上げの装飾には、純金あるいは純銀を用います。オブジェなどの食品と接しないものの仕上げには、真鍮や鉛を用いることがあります。

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